リサーチの契機
2019年を振り返り。2020年の見通しを立てる中で、確実に2020年は組織がキーになるという肌感がある。
その上で、以下の2つが明確に不安として存在する。
・完全にbizサイドの人が現状の組織にいない
・異色な強いメンバーを引き入れた時に組織が腐る可能性がある
これらを踏まえ、組織崩壊の招待と原因について考察したい。
そもそも組織崩壊とは何なのか
30/50/100人等と人員が増える度に発生する、その時の会社フェーズに合わせて発生する組織課題。
予防策や対応方法を間違えると、一気に組織が崩れてしまうリスクをはらんでいる。
なぜ組織は崩壊するのか
- 各人の保有する情報の違い(当社での生活期間に比例する価値観理解、コミュニケーション量がベースになる相互理解)による不信感や不満の発生
- 上記に付随する業務の偏在や属人化によって、単純に業務効率が悪くなったり、都度発生する離職(チーム毎のケースも)に伴う業務効率の悪化
処方箋
根本的な対策
- カルチャーへのミスマッチ排除(採用段階だけでなくオンボーディング含む)
- 組織階層が多重になった際にも対応できるコミュニケーション設計(ミドルマネジメント、全社1on1 等)
- 情報の偏りにより発生するパフォーマンスの偏りを仕組み化して組織で解消
具体的な対策
前提
- これらに記載されている問題への全社的な共通理解
- 強烈なペインを解消するプロダクトとそれに支えられる財務基盤が存在する
採用
- カルチャーフィットを重視すべく、初期メンバーによる多重フィルターの実施
- カルチャーフィットを重視すべく、インターン経由で採用する
- スキルや前職等の経歴が申し分無いときは、カルチャーフィットをより重要視する
- 1名部署を作らない
オンボーディング
- ストレングスファインダー使って相互理解を促進
- KPI等に限らず、カルチャーに対する振り返りの実施
それ以降(just idea)
- 早期からミドルマネジメントの育成
- CxOクラスを覗いて必ず組織階層は下から入って、現場やカルチャーの理解度を高めた上で昇進する形にする
-
バリューを加味した人事評価・等級制度の策定
- 入社時期によって条件が変わってしまう事を防ぐ意味でも有効
他社の事例(引用を含む)
- 30名までの時点では、バリューが決まりきるまで、一定期間一緒に働いていない人の採用を行わないことにした。 その時点で、華々しいトラックレコードを持つスーパープレーヤーの採用をすぐには行わないことが決まった。
- 30人の時点では、初期に創業者の腕力で立ち上がった事業故に、創業者へ偏った業務を分散化し、組織化する
- 50人の時点では、採用チャネルが多角化する事によって、スキルや経歴を基に採用してしまうケースが散見されるようになる。また比例して組織階層が増えて単純にコミュニケーションが減るので、経営陣と現場のギャップが生まれる。対策としてミドルマネジメントの存在が必須。
- 100人の時点では、前述に加え初期成長を牽引するメンバーの離脱が発生するようになるため、依存度を減らすように業務を改善していく必要がある。
- 「採用≒エントリーマネジメントの徹底強化」と「経営陣の組織づくりへのコミットメント」
- カルチャーフィットは採用段階が全てだと考えているが、創業者が必ず面接に入る、面接回数を増やす、インターン経由
- 質的な急拡大・量的な急拡大どっちにおいても、組織カルチャーへのFITが大切。
- カルチャーフィットの基盤形成
- 採用時点でのカルチャーフィットに加えて新規での参加者が活躍できるまでのオンボーディングを強化
- 焦ってスキルだけで中途採用を行ってしまいがち。妥協せずに、スキルも高く、企業のビジョンやカルチャーとの適合度も高い人を採用すべき。寧ろちょっとスキルは弱いけれども教育可能で、ビジョン・カルチャー適合度は高いという人が2番目の優先度になる
- マネージャー向けにワークシートを用意し、自分たちがバリューを体現できているかを月1回振り返ってもらいました。このシートはマネージャー自身が振り返ってバリューを意識するのはもちろん、シートをメンバーに展開し、チームでワークショップ形式で活用してもらい、メンバーとバリューに対して対話するきっかけ作りにも活用しました。
番外:今の文化は何か
今いるメンバーは全員が “戦える” 事が特徴だと思う。
戦場で、何故彼らは心強く共に戦えるのかを分解すると、以下の3つになる。これが全ての基盤に思う。
- 相手に向き合い、まずリスペクトから入る
- 仲間のために率先して泥を被れる
- 責任感を持って物事に取り組み、成果を出すまで決して諦めずにやりきる
参考文献