zoi's blog

SaaSは何を売っているのか?世界観を売っているの?

March 15, 2020

何故ソフトウェアは導入されるのか

企業がITを導入する時は、「あるべき姿(大きな背景や目的)に対して、現状とのGAP(課題)」が明確に存在し、それへの投資として採用される。

世界観を売る

ソフトウェアが何故導入されるのかを考えると、顧客に対して提示するあるべき姿への共感が前提として存在する。 そしてそのプロダクトを導入することで、その世界観へと近づけると信頼して貰えると、不要のハードルが外れる。

つまり、こういう方向性を見据えてますよ、というプロダクトの提示する世界観、そしてそれに対する顧客の共感こそがサブスクリプションモデルの投資判断を支えていると言える。

ただし売れる時は、、、

とわいえ、世界観だけで売れるほどeasyではない。販売チャネルや製品自体が複雑なプロダクトであればあるほど、不信・不要・不適・不急を解消して初めて売れる。

逆にいうと、解決したい早急な課題がないと絶対に売れない。 toCの人も共感してくれる人は多々いたが、強い課題がなければ不急だと稟議などで振り落とされてしまう。

補足

これを考えた契機

「あーSSOですね」と顧客利用しているpkgベンダーの開発責任者に言われたが故に、何も考えずその単語を使っていた。ただし最終的に目指してるのはSSOではないし、作っていたのも厳密な意味でのSSOではなかった。

しかしその単語を使ってしまったが故に、社内でも方向性について認識のブレが発生したりもした。

そもそも顧客の担当者が強烈に共感してくれたのは、リスクベースと2段階認証。ネットワークで信頼する境界型のセキュリティ体制ではなく、ゼロトラストの概念モデル自体に共感があった。

ゼロトラスト故に、信頼性を評価して実務上の使い勝手を担保しつつ、常にどこからのアクセスであろうが評価するこの部分にこそ評価があったのだと思う。

キャッチコピー・世界観の必要性

現状目指しているのはSSOでも、ゼロトラストの具現でもないが、自分たちが自分たちのプロダクトで成し遂げる世界観を明確且つ簡潔に言語化する必要があると感じた。

それこそが、顧客の担当者を強烈に惹きつけるキャッチコピー・世界観になる。そして今いるメンバーの製品への認識も一致させ、ひいては将来の仲間をも惹きつける事になると感じた。

世界観を作るために

顧客のあるべき姿を未来・過去・歴史・実態などから逆算し、仮説のストーリーを構築すること。
そして、それを簡潔に言語化する必要がある。

参考情報

イシューからはじめよの「イシュー起点でストーリーを組み立てる」を見る事


Kyle Mathews

SMB向けのマーケットプレイス事業を売却後、エンプラ向けのSaaSをやってます。元エンジニア:Ruby / Go / Nuxt / ReactNative