zoi's blog

参入障壁をdigる

February 09, 2020

正しい意思決定

前提として勝つためには、中長期で正しい意思決定を行う事が最も効いてくると考えている。 正しい意思決定により早くたどり着くには、仮説の精度と検証の速さが必要である。仮説の精度は保有している情報量によって、検証の速度は仮説構築までの時間短縮(正しい情報をいかに早く集めるか)と検証のイテレーション速度向上によって改善できる。

執行に必要なリソース

その上で、中長期で正しい意思決定を執行するには、必要なリソースを適切なタイミングで調達する必要がある。 そしてそのリソースの調達には、適切なステップがあると考えている。(COOはMRRがXXXになったら、valN億の調達はMRRがXXXになったら etc)そしてそのステップは、加速度的に積み上がる。(営業CFが詰めば企業的な調達コストは減る etc)

参入障壁

参入障壁はアセットの一形態

参入障壁は何かしらのアセットで形成されている。つまり、企業が成長に必要な段階を経る過程で積上げられるものである。となると、参入障壁として適切なアセットが、企業の成長とリンクする形で加速度的に積上げられる形であれば、競争優位性が形成できる。(ex. ネットワーク効果)結局ヒト・モノ・カネの中で、どんなループ構造を組み込むかということになる。ただし参入障壁はアセットであるが故に、究極無限のリソースを前に一切の意味を持たなくなるものでもある。

SaaSの参入障壁

SaaSは基本的にカテゴリNo1としての認知こそが最大の参入障壁となる。 そしてこれは、カテゴリの存在証明を事例を積み重ね、その認知を拡大することによって実現する。 また基本的にSaaSは、強烈なスイッチングコストがベースとなった低い解約率を前提に、将来のCFを予測可能なものとする。そしてそれを基にリソースを調達し、更に獲得を拡大することで様々な種類のアセットを蓄えながら綺麗なミルフィーユ型のコホートを実現することになる。

専門性の高い領域の参入障壁

SaaSで且つ専門性が強い業種であることを考えると、課題は潜在的なものが大半のはずだ。そしてそこをアウトバウンドで商談突破していくのは限界があり、資金効率が悪い。なので、最低限の事例が積み上がった後には、最終的に殆どがインバウンド経由または提携先からの紹介経由の受注になる。専門性が高くニーズを理解できる潜在顧客は、検索でニーズが顕在化したリードをきちんとインバウンドで受注していくこと。逆にリテラシーの追いつかない潜在顧客はプラットフォームと上手く組んで進めていく必要がある。

実際の障壁

とは言え事例が一定数ないと前述の戦略は意味をなさないので、目下進めている通り。競合は超エンプラ向けに展開しているか、別の箇所を対象にしたプロダクト。共有DBによるデータ量、インフラシステム、超エンプラ向けの営業戦略、業界特化機能においては負けていると認めざるを得ない。他方、より多くの顧客層に受け入れられるための暗黙知、そのセグメントに受け入れられるための数値改善系機能、代理店契約の先行、ゼロスタートのメディアではまだ戦える土壌がある。また、製品としてPOCを突破できれば基本的にスイッチングコストが低いので、先に入れたもの勝ちになるはずである。これらを意識した上で、初期はアウトバウンドで地道に積上げ、マーケでは顕在層のみ取っていく。確固たる事例ができたら各種CMでカテゴリの認知取る。リードはメディアの別クエリか展示会が中心になる。

最後に

とは言え、自らの行動を過大評価したら死ぬし、目標に対してどう埋めてくのか考えないとキャッシュ足りなくて死ぬ。 あくまで金銭で大体不可なアセットを如何に迅速に早めていくのか、そこへのプロセスをきちんと計画立てて行い、執行することが最も重要である。


Kyle Mathews

SMB向けのマーケットプレイス事業を売却後、エンプラ向けのSaaSをやってます。元エンジニア:Ruby / Go / Nuxt / ReactNative