February 09, 2020
これは恐らく本質的にNoCodeよりもFewCodeの方が本質に近い。
世界的に2つの潮流が存在する。 1つはDXである。全ての産業において取り巻く環境が変わり、多くの企業が製造業を支えたオペレーション主義から顧客中心主義へと移行が求められている。 2つ目にエンジニアリングリソースの不足である。前者を起点に多くの企業でソフトウェアを扱うための社内リソース、また外部のエンジニアリングリソースを適切にハンドリングすべくエンジニアを求めている。急成長中のIT領域の需要は言うまでもない。
この様な背景を踏まえると、企業は世界的に希薄なエンジニアリングリソースを、DXの変革及びそれに伴う競争優位性の源泉に割いていく事が予想される。そうなると、逆に企業の強みの源泉に直結しない機能についてはある意味リソース不足になる。結果として多くの企業は部分的に「少ない開発リソースで高品質」な機能を有することになる。
他方FewCodeの事業者は、そもそもの競争優位性として顧客が「リソースのない中で事業上優先度の低いが高品質が求められてかつ維持が難しい機能」を手軽にアクセス出来るように提供している。また多くの企業が同じソフトウェアを使う事で、プロダクトに則って運用すれば顧客を自然とベストプラクティスに乗せられるようになっている。
この顧客の状況とFewCodeの事業者がうまく合致するプロダクトが伸びている。Sendgrid,Twilio,PagerDuty,Contentful,AppSheetなどである。彼らは全てAPIを通じてその背後にある隠蔽された大規模データ、アルゴリズム、インフラを操作出来る様にするものである。
UIまで含めてNoCodeにするものは運用上様々な面(品質など)でスケーラビリティにかけるので、現実的にそのまで将来性があるとは思えない。あるプロトタイプまで簡易に作れて、それを完璧なコードにエクスポートするならアリかもしれないが、それはある意味プロダクトの成功が卒業とセットになっていることを意味するし、持続的な成長は難しいだろう。
SMB向けのマーケットプレイス事業を売却後、エンプラ向けのSaaSをやってます。元エンジニア:Ruby / Go / Nuxt / ReactNative