zoi's blog

PMFのもろもろ

February 01, 2020

目次

PMFを成立させるもの・壊すもの

タイミングの問題

ボケて、はPMFするものだったけど、単に時期の問題だった。なので、3年放置した。そしたらブレイクした。プロダクトを時代に合わせるより、時代を待つ方法もある。プロダクトを改善したり、1年やって数字悪いと諦めるとかだけが正解じゃない。

単純なプロダクトにと市場の関係地が成熟していないケース

PMFって新興国だとそもそも市場がNot readyだったりすることもあるから、めちゃくちゃユーザーと向き合ってサービス改善しても全然伸びなくて、、、、って絶望してたら、競合増えて来て市場が盛り上がって来たタイミングで突然爆伸びするケースもあったなぁ。

市場リテラシーがプロダクトに追いついておらず、強豪の資金投下によって引っ張られ伸びるケースもある。

でかいノックアウトファクター問題

めちゃくちゃ支持度はあるのにまだマーケットが早すぎてボリュームが出ない、あるノックアウトファクターに引っかかっていてそこをクリアしたら劇的に伸びる、リスク回避的な顧客が多くてリスクないことが証明されたら一気にトラクションが出るなど、単なる伸びと実質的PMFが一致しないこともある

ユースケースが生み出される場合

SaaSソフトウェアはコア機能をベースに、色々な使い方(規模、組織体制、担当者の役割権限、担当者の知識)のユースケースに対応できるようにある程度汎用性を持って作られるが、そのプロダクトがクリーンヒットするケースが顧客によって見つけ出される場合もある。

PMFに達するかは紙一重なケースもある。ちまちま汎用システムを作り続けてたら有用な利用方法を顧客が編み出してくれて一気に伸びるとかね。

導入事例の問題

あるSaaSサービスはプロダクトの質もマーケ投下量も何も変えてないのに、ある大企業が導入したことがきっかけで一気に伸びたという例もあります。プロダクトだけという視野でPMFを見ていると誤る良例ですね

PMFとは何でないのか

持続可能性がない状態 はPMFではない。 持続可能性がないものは、そもそもペインでないか、ペインに対して代替可能な手段に留まってしまっている。

PMFの達成(ヤプリ)と未達成(マナボ)、両方を経験して思うPMFの決定的ポイントは「持続可能性」

そのトラクション/KPIが ①意図して再現でき ②持続可能である

双方を満たしていることが新のPMFを見分ける最大のポイント。どんな指標の組み合わせでもスナップショットでは判断できない

PMFはイベントというより「状態」という認識のほうが良いのかなと思っていて、たとえば国内でPMFしててもグローバル展開し始めればその観点ではPMFはなくなったりするので、PMF達成したから次、とかではなく、「このままPMFの状態で居続けよう」という考え方のほうが良いのかなと思います。

個人的には、PMFの定義ってむずいのであまり気にしてなくて、純粋にPL上で ・黒転してるか?(するのか?) × ・年商10億超えても年成長50%以上維持できてるか(向こう三年維持できるか?) くらいの目線かなぁと。

PMFの難しい部分

銀の弾丸は絶対にないので、自分の事業と顧客に向き合い続け、最も重要な事にフォーカスする事でしか得られないもの。

事業改善において銀の弾丸を探しがちだしPMFもなにかの劇的なきっかけがありそうに見えるかもしれない。けども地道に事業の構造を理解・分解して、重要なポイントを絞りリソースを集中投下して一つづつ改善していくこと以上のことは無いのではと。優先度と集中は地味で強力な武器。

チャネルハックのみだとreplacableなので、持続可能性が低い可能性は高い。

PMFフェイクは結構あると思っていて、一番危ないのは、ユーザーに支持されてるわけではない、ないしはその支持はチャネルの経路にたまたま置いてるからくる、お金で簡単にスイッチされるんだけど、まだ周りが気付いてないだけで伸びてるだけのケース。アビトラやハック系に多い

ユーザーが自覚できない潜在課題は、モックでは検証できず、導入後に外せない状態がイメージ出来ないことで初めて検証できる。

PMF検証時に現状の課題を聞くにあたって、「ユーザー候補が認知している課題しか抽出されない」リスクってどう回避すればいいんだろう。業務コストに慣れてしまうと、そもそも課題として自覚できないってあると思うけど。


Kyle Mathews

SMB向けのマーケットプレイス事業を売却後、エンプラ向けのSaaSをやってます。元エンジニア:Ruby / Go / Nuxt / ReactNative