zoi's blog

デジタルプライバシー雑感

January 20, 2020

決めるのは基本的に”GAFA”

スマホのブラウザのシェアはGoogleのAndroidとAppleのiPhoneが大半。彼らのスマホブラウザはそれぞれChromeとSafari。 加えてブラウザもスマホもシェアを持たないFacebookは世界最大のSNSで大量のデータを持ち、広告市場で急進している。 なので基本的にはGAFで多くの事項が決定される。

Microsoftはブラウザシェアを一定維持するが、広告事業や検索事業が弱い事やスマホシェアがないので、基本的にここの決定に寄与しないし影響も受けない。 またAmazonはブラウザシェア/スマホシェア/広告事業売上で強い地位があるわけではないので、MS同様に寄与しない。

自社を追い込む形は取らない

前述の背景を踏まえ、GAFが「悪者呼ばわりされる」「ビジネスモデルが破綻する」ような選択は取らない。

Facebookは例外的にCambridge Analyticaの問題を経て追い込まれている。特にブラウザやOS、スマホのプラットフォーム上でデータを取って事業をしているので、相対的に立場が弱い事もあり発言権が弱い。

何が問題なのか

当初は電話番号、メールアドレス、住所などの個々人を識別できる値以外は個人情報となっていなかった。 しかし昨今、個人の意図しない形で個人情報が収集、活用されている事が問題となってきている。 どこまでがプライバシーや個人情報なのか、主にインターネット広告の領域を中心に問われる事が増え、結果的に欧州ではGDPRという形でFingerprintやCookieも個人情報扱いとなった。

何は問題ないのか

「個人の意図しない形」で個人情報が収集・活用される事が基本的に問題となる。 結果としてGDPR各国ではCookie利用に関する同意を取る事になった。 つまり、事業者が直接抱えるエンドユーザーに対して同意を取れば、今迄通りcookieなどを活用するのはなんら問題はない。 しかし、アドネットワークの広告タグなどのように、3rd Party Cookieなどで第三者がエンドユーザーのデータを勝手に収集・活用することなどは基本的に難しくなっていくという流れ。

どうなっていくのか

UserAgentやFingerprintなどを提供しない方針をGoogleChromeが発行しているが、基本的に個人を識別しない形で今と変わらない利用者のデータを取得できる環境をGoogleなどが中心に進めていくと思われる。

また一方で、Fingerprintなどを排除するのとは別に、エンドユーザーのデータをどこまで共有していいのかは今後更に問題となり、より事業主のみに閉じ込められていくと思われる。

これらと並行して、次の3つが進んで行くはず。

  • UAやFPに依存しない個人の識別をAIなどで行い、巨額の富を生み出す事業者の誕生
  • 1st Party Cookieのデータを第三者のアドネットワークなどがいかに取得するかの模索
  • GoogleがブラウザやCookieのデータではなくGアカウントに紐づく履歴にAIをかけ合わせて広告精度を高めていく

Kyle Mathews

SMB向けのマーケットプレイス事業を売却後、エンプラ向けのSaaSをやってます。元エンジニア:Ruby / Go / Nuxt / ReactNative