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Internal Network
企業の内部ネットワークは、B2B SaaSにおいて聖杯である。一度企業内でアカウントが作れれば、それは不滅だ。まずは最初の担当者をサクセスさせ、安心して他の関係者にも紹介してもらえる。
企業の内部ネットワークに関する議論は、フリーミアムvsフリートライアルの議論にも関連する。
フリーミアム
課題
- 緊急性がないので無料版で満足してしまう。営業にとって最大の競合は無料版となってしまう
- どの機能を無料でどの機能を有料にするのか、またそれが適切なのかにPMはかなりのリソースを取られる
- Paidマーケが複雑になる有料転換するのがNヶ月、N年後と不明瞭な場合、PaidマーケのROIを適切に評価するのは難しくなる
条件
次の条件に合う場合はフリーミアムが適切である。
- ユーザー獲得がボトムアップかバイラルである
- 無料利用のユーザーが、コンテンツを投下し、ネットワーク効果に貢献してくれる
- 無料ユーザーがいなくなると、著しく製品の価値が下がる
- 無料ユーザーの多くは、基本的に支払う気がない
- 無料ユーザーが増えれば増える程、CVRが上がる
- CVするユーザーと無料のユーザーで要求する機能が異なるため、機能制限について考えるのが比較的ラク
フリートライアル
メリット
- フリーミアムの課題は全て無し
- クレカが登録してもらえれば、受注に慣性が与えられる
- フリートライアルは無料期間に制限があるので、各ファネルの段階が短くなる
条件
次の条件に合う場合はフリートライアルが適切である。
- ユーザーアカウントが管理者によって支給されるもの
- リードが基本的にPaidのマーケティングから発生するもの
- トライアルを経たユーザーが購入に至らない明確な理由がない
- トライアルに時間制限があることで、CVを早める事ができる
- 有料ユーザーの享受する製品の価値に、フリートライアルの存在が寄与しない
Yammerの事例:フリーミアム
当時Yammerの購入者はIT部門。特にアーリーアダプターには権限や予算がなかったので、支払いを共用しても意味がなかった。一方該当の担当者は、コンテンツを投稿したり社内の人間を招待するのに積極的だった。
このネットワーク効果が高まるにつれて、IT部門の事例は積み重なった。利用者が増える毎にバイラルは上昇し、結果的にPaidマーケが不要になった。これにより、バーンレートが抑えられてコンバージョンまで時間が掛かるのを待つ余裕があった。
参考