zoi's blog

常に読み返したい記事/本

December 31, 2020

記事

PayPal元COO、Yammerの元CEOで、今ボトムアップ型SaaSへの投資をしているDavid Sacksの記事ばかり。全てが完結で分かりやすく最高の内容。不安の全てが解決される。ここらへん以外も良いが、代表的なものだけ。それ以外だとSaaStrの記事だが、本の要約って感じなので少しだけ。

  • The One Who Defines the Category Wins the Category

    • 既存の後追いは絶対に無理、調達も営業も苦しい。なので別カテゴリにちゃんと見せる事。そしてそのカテゴリを事例で説明し、競合の参入によって確立すること。
  • The Wilderness Period

    • スタートアップは知人等からの紹介ではなく再現性のある形で10社全くの知らない顧客を受注する事がとても大変。ここはみんな苦しむが、購買プロセスをリバースエンジニアリングすると解決出来るという話。尚、ARRが$1M以下は月次20%成長、それ以上なら月次10%成長を目指せとのこと。
  • The Cadence

    • SaaSの活動はプロダクト/マーケ/営業/ファイナンスと4つの大きなオペレーションを抱えている。そしてこれらの進行ペースが異なる中で、どうすればタイムラインを揃えてより効率的な活動が出来るかというのを示している。とても感銘を受けた。
  • Product First

    • Squareの話がとても良い。最初はただジョブを解決するためのプロダクトを作っていただけだけど、そのうち背景にある業界のイシューが明らかになり、そこにソフトウェアを発展させることで大きく成長したという話。
  • The Gross Margin Problem

    • ソフトウェアは本来その複製可能性により高粗利率なのが素晴らしい点だった。そしてそれがSaaSになり、クラウドでいつでも誰でも今すぐ使える、しかも買い切りではなくリカーリングになり継続的な収益性も生み出せる様になったことで、本当のビジネスモデルが完成した。しかし、より一層ユニットエコノミクスを注視するタイミングにきたという話。
  • The Burn Multiple

    • ソフトウェアはユニットエコノミクスで考えれば良いので、資本効率とランウェイだけを気にすれば良かった。ことSaaSにおいて、新規のネットARR(粗利)とバーンがどうなっていれば良いのかをクリアにした。「Burn Multiple = Net Burn / Net New ARR」が1.5-2だとgood。
  • If You Have 10 {Unaffiliated} Customers in SaaS — You Have Something.

    • 最初の10社を紹介などではなく受注した時に、最初の苦難を突破したことになる。小さな売上規模や顧客でも、ユースケースは同じだし、MSPの構築とミニマムなリードフローを確立したことの証明になっている。

前者はドットコムバブルで死にかけても蘇られる事を思い起こさせてくれる。後者はEchoSignとSaaStrのFounder/CEOの本、実践的なSaaSのメソッドが詰まっていてどこよりも参考になる。


Kyle Mathews

SMB向けのマーケットプレイス事業を売却後、エンプラ向けのSaaSをやってます。元エンジニア:Ruby / Go / Nuxt / ReactNative